1998.02.12 渋谷公会堂 LAST CONCERT「これからの君と僕のうた」


場内は明かりが落とされ、ステージの上に灯るわずかな明かりがスモークで揺れている。キーボードのSEと共にメンバーがステージに登場、客席からは歓声。メンバーは一度ステージ最前方に揃い客席に手を振るが、背後からのライトでその表情は見えない。
SEによる緊張感が最高潮に高まり、"サバラ"の指サインを高く会場に向けた浜ちゃんが叫ぶ「『我想うゆえに我ありぇー! 」でライブは始まった。
"Hoo,Haa!"の掛け声、メンバーも客席も気合が漲る。♪シャランランラー、オーイェー と曲は終わるが一息つく間もなく、「♪スリッ、フォオッ」の浜ちゃんのカウントでズンズズンとイントロが始まり、「♪みんな、あれについて、考えてるッ♪」と『あれの歌』。
そして流れるように、ヘヴィなリフと掛け声で始まった『HOME TOWN』 。「みんな叫べ−!」と曲中で煽る浜ちゃん。
うぇーい!ようこそ、FLYING KIDSの皆さーん!」と今日初めてのMC。「今日は、最後だけど、ぜんぜん、いつものようにやる!そのつもりでいてくれー!思いっきり楽しんでってくれー!うぇーい! 」という力強い宣言に客席からも大歓声。ドラムのリズムが流れだし、皆も手拍子、「いくよー、『ジェットコースター』!」
それまでの曲はちょっとヘヴィで、かつメンバーも今日の音を確かめているような感じだったけど、この曲で少しリラックスした感じに。ピアノの明るい響きを全面に押し出したエンディングアレンジで終了すると、聞き覚えのあるメロウなイントロに歓声が。『暗闇でキッス』 。
ドラムロールとスペイシーなイントロに、客席も横ノリに。「それじゃあ、ちょっとファンキーなナンバーをぉ、いくつか、並べて、やってみよー!まずは、この曲ぅ、君の心を、メチャクチャにしてやるー!『炎(ファイヤー)』いっちょう、レッツ・ゴー!」で初期のファンクな名曲がワンコーラスずつメドレーで。
そして『僕は僕を信じて』へ繋がり、フセマンのベースソロで『行け行けじゅんちゃん』へ。「♪続いてゆくのかな…いけいけ!/ヤダヤダ!」そして「みんな、今日は、楽しんでいってねー!」というじゅんちゃんに大歓声。そのままじゅんちゃんのコーラスで『毎日の日々』に繋がり、メドレーのラストは『キャンプファイヤー』。
「…」と浜ちゃんのMC。「入らなかった曲を、やってみようとおもいまァす!」と言って間髪居れず中さんのスネアがダン!と一発「♪もしかして僕と結婚シタイんじゃない?』の、ウェーイ!♪」
もちろん客席はノリノリ、浜ちゃんもスウィング。秘密の果実を握ったり、「♪足ナが〜い♪」のコーラスでは顎に手をやりカッコマン爆発。その余韻が覚めやらぬうちにアグレッシブなギターと共に、「うぉー、僕は、『野生のハマザキ』 ー!!」
曲中のスリリングなベースソロにさりげなくかぶさる「♪『ザケンジャネーヨ』」のコーラス(客席から歓声)。一旦曲終わり、浜ちゃんの「くさった大人じゃない大人になるのだー!」という叫びと共に、改めて始まった『ザケンジャネーヨ』。
「…てんこ盛りの"てんこ"って何でしょーね」「…少しだけやろうかな(笑)」中さんがバスドラとハイハットで軽快なリズムを刻み、客席も手拍子に。何の曲かな?と思う間に「♪ワーン、ッツー、ワンツースリー」♪(ピアノ)ぽんぽろろん「♪にっちぃよおーの、あーっさはやーく…♪」で『進め!進め!進め! 』が始まり、大歓声。
加藤さんはこの曲ではギターを降ろしてコーラス&振り付けですっかり"うたのお兄さん"状態。もう一人の"お姉さん"と、サビの部分では前後にランニングの振り付けなどして楽しい。客席も楽しそうに歌って踊って、最後は浜ちゃんの「どうみんなぁ、気分はイイかァーい!?」に「イェーイ!」で終了。
汗ばんだ会場を落ち着けるように飯野さんのピアノのFのコードがぽろろん、ぽろろん、と流れる。皆の呼吸を確認し、中さんのカウントで「♪Everybody have a beautifull song!♪」とメンバー全員が歌い始めた『ある男のメロディー』。 CDと同じアレンジで、1番はピアノだけの演奏、2番からフルパートの演奏。メンバー全員の歌声が力強く、そして美しく重なったこの日の見せ場の一つ。終了とともに、大きな拍手と歓声が客席から止まない。
ピアノの美しいイントロで始まった『星屑のふたり』 。ブルーのステージジの上に星のかたちのライトがたくさん降っている中、歌いあげる浜ちゃん。

前曲とは対象的な赤い攻撃的なライティングと野生的なタムリズムで始まった『NEW ADVENTURE』でライブの後半戦開始。続けて『してきちゃいなよ』『セクシーフレンド・シックスティーナイン』と休むことなくノリノリで続く。 一瞬の静寂を破って浜ちゃんが叫んだ「『とまどいの時を越えて』ー!!」 、そして『僕であるために』、と後期のヒットチューンが続く。
ゆるやかなハモンドオルガンのイントロが流れ、中さんのリズムが重なり、観客も手拍子を始める。アコギを肩にした浜ちゃんが語りかける。
ようよう、緑を、揺らす、風の中でぇ、僕たちは、ちょっと、立ち止まって、考えていたんだ 」「どうやったら、もっと、高く、飛べるかについてぇ」「 でも、そろそろ、この場所を、移る時がやってきたようだ」「でも、そうそう、僕は、約束する!次に、歌う気分を、いつまでも、持ち続ける事を! 真夜中の革命』 ー!」ヒリヒリした気持ちを全身でぶつけ、ギターの弦も切れる程の熱唱。
ドラムと共にスリリングなリズムを繰り返すベース、それに重なっていくパーカッション、ギター。テンションが最高潮に達した瞬間、「♪オーイエー!」の絶唱。客席も同じフレーズを繰り返し、ステージに返す。「『ディスカバリー』!」繰り返される「♪オーイエー!」のフレーズと手の動きで会場が一つに。
曲は終わったが、ドラムとパーカッションは同じテンポでリズムをキープし続け、客席も揺れつづける。そこに流れてきた、ドキドキさせるようなキーボードのフレーズに客席から歓声が上がって、浜ちゃんが叫ぶ「『心は言葉につつまれて』 ー!』じゅんちゃんのサンバホイッスルが鳴り響き、怒涛の盛り上がり大会。
間奏部分では浜ちゃん語る。「よぉよぉ! もう、こういう場面、君とFLYING KIDSのこういう場面を、どれくらい繰り返して来て、来て、僕らはここにやってきたのだろうか。何度も、何度もあったよね、うぇい! 」「会うたびに、君の中の、夢や、希望や、挫折や、欲望や、憎しみ、ひろったお金、楽しかったこと、いろいろ教えてもらえたような気がして、僕たちは、ここで、そう、歌を歌ったりしてたんだけど、そう、僕たちの、そんなときの、気持ちも、意外とみんなにわかっちゃったりして、ねえ!今日は冴えないよねとかさ、今日はノってるねとかさ、バレバレだよね。でも、そんなやり取りが、よかった、はずなんですよ。僕たちは、沢山の、やり取りをして、大人になったぜ! 今日も、君に、持って帰ってもらいたいものがある。今日のヤツは、大事にとって帰って、ずーっと大切にしてもらえたら、嬉しい。それじゃあ、いくよ、マイパワーーーーーーー!!!
お互いに向かってパワーハンドを隈なく差し伸べる浜ちゃんと客席。
エンディングでは「うぇーい!(うぇーい!)」と客席とのコール&レスポンスを繰り返し、本編終了。メンバーはステージを引き上げていった。

(つづく)