いろいろと思うことを書いてみました。

DEAD ENDのニューアルバム『METAMORPHOSIS』、本日発売となりました。ひとつ前の記事に書いたように”MORRIE声出てないのでは?”という不安から購入は迷っていたのですが、先日TV放送されたJACK IN THE BOX2009の映像を観て購入を決意。

音だけ楽しめればよいと思って通常盤を購入しようと思ったら、amazonではなぜか限定盤のほうが安く、先週の土曜日にクリックで購入。 …したのですが入荷量の都合/購入申し込みのタイミングで、ブツの到着は早くても明日になりそうです。

METAMORPHOSIS(初回生産限定盤)(DVD付)

METAMORPHOSIS(初回生産限定盤)(DVD付)

JACK IN THE BOX2009の筋少の映像はないのかしら、と思って検索していたら、同イベントのトリの44MAGNUMの映像はあったので何の気なしにそれを観たのですが、見事にツボにはまりました。また、最新PVもアップされていて、これもたいそう格好いい。

私が彼らの音を聞いたのは中学生の頃、1985年のBOOWYの都有新宿3号地での雨の中でのライブイベントの映像(NHK)で、PAULがゲストで歌っていたのが最初の出会い。この頃は彼らはメタルバンドとして絶頂期だったけど長期の活動休止に入る直前?または入った頃?で、それは他のメタルバンドもバンドブームの余波でじりじりと衰退していく時期の始まりでもあったようです。 だから彼らの絶頂期の姿はリアルタイムでは全く知らなくて、87年の『LOVE or MONEY 』と翌年の『EMOTIONAL COLOR』が私にとっての44マグナム(笑)。特に『LOVE or MONEY 』は今でも時々聴くアルバムで、【ソフト・ロック】とも評されたこの頃の彼らのファッションスタイルや、様々な音色を使い分けるJIMMYのギター音づくりは、その後(90年代前後)のJUSTY NASTY とかEins:Vier、はたまたラルク等の【ホスト系ロック】のルーツであり、シャウト系ではない”歌モノ”に徹したPAULのボーカルは格好いいな、と思うのです。 ただあまりにそれまでの絶頂期との頃の路線と変更しすぎて誰もついていかなくなったのは判る気はしますが。
LOVE or MONEY(紙ジャケット仕様)

LOVE or MONEY(紙ジャケット仕様)

EMOTIONAL COLOR(紙ジャケット仕様)

EMOTIONAL COLOR(紙ジャケット仕様)

方向性が見出せず彼らは89年に解散。 その後PAULは江川ほーじんらと共にファンクポップバンド、ライナセロスを結成。YouTubeでもこの頃の映像は観れるけどちょっとノーコメントだ(笑)。 JIMMYの活動についてはミレニアム前後のΦとしての活動はよく知っています(CDだけなら)。

ゼロ年代に入って44マグナムも再結成したことは知っていたし、PAULが若年性パーキンソン病を患っていることも知っていた。今回のイベントで彼らがトリを務めたことについては、他の若手バンドと比較した人気度/知名度、そしてPAULの容態がどう若いファンに見えるのか、と余計なことを考えたくらいだった。しかししかし。

【ヘビメタ】でも【ソフトロック】でもない、そのどちらの良さも兼ねた豪快さとキレの良い音。もうすぐ50歳とは思えんJIMMYのスマートさ*1。そしてPAULの実息であるSTEVIEの存在感。声がPAULそっくり!そしてイケメン!ブレザーにネクタイというファッションは反則だぞ!PAULの動きが思わしくない分をしっかりサポートして、ツインボーカルものとしてのユニゾン/コーラスも全く違和感ないし伸びやかで格好いい。

この映像を見る、前にちょうどファンキー末吉氏のこの文章を読んだところだった。

ワシは敢えてX.Y.Z.→Aはワシにとって「家(ファミリー)」である!!と言う。
ついでに言うとそれから派生する筋少ラウドネス爆風スランプも全てX.Y.Z.→Aファミリーである。
X.Y.Z.→Aがなかったらひょっとしたらそれぞれのバンドの再結成さえなかったかも知れないしね。
だからファミリーである筋少がワシの助けが必要ならワシは命がけで頑張る。
ワシにとって橘高はもちろんのこと、
大槻も内田も本城もみんなファミリーなのである。

父を支える息子のボーカル、まさにファミリーでバンドを転がしていく、ある意味理想の姿ではないか。
BANに代わってベースを弾きまくるLa'cryma ChristiのSHUSEの姿も、一回り下の若い年代ではあるが、脈々と伝わるジャパロックの血筋を引き継いでいくような姿で清清しい。

とにかく格好良くて、彼らの現在についてもっと知りたくて検索してたら、こんな記事も見つけた。 昨年、PAUL自身が、パーキンソン病の患者として、NHKで取り上げられていたのである。

福祉ネットワーク『もっと歌いたいぜ −パーキンソン病と闘うロック歌手−』
80年代、ハードロックバンド「44マグナム」のボーカルとして活躍した歌手・梅原達也さん(47)。梅原さんは、今「若年性パーキンソン病」と闘いながら、ライブを続けている。手足の震え、体中を襲う痛み・・・。パーキンソン病は、根本的な治療法はわかっておらず、薬で症状を抑えることしかできない。梅原さんはおととし病気をファンに公表し、新しいバンドを結成した。みずからがステージに立つことで病気への理解を広げ、少しでも患者の役に立ちたいと考えたからだ。病と闘いながらステージに立ち続ける梅原さんの姿を追う。

この番組の中では病気の苦しみ、治療の苦しみがクローズアップされていたらしく、放送後、それを見た当事者(パーキンソン病の患者)からも、賛否の声が上がっていたらしい。
そしてPAUL本人が、患者の集うホームページのBBSで、以下のメッセージを伝えていた。

あの番組を観て、皆さん各々、色々な感想をお持ちでしょうが、僕、個人的には29分と言う時間や、テレビと言う規制のある中、軸のぶれていない良い番組だったと思っています。
勿論、もっと伝えたい事は沢山あったし、今後、また別な形で放送する機会があるかもしれないのでまだまだカメラは回し続けます。
あの番組は「梅原達也」と言う一人の人間が、病気とどう向かいあっているか?これから、どう向かい合い、闘って行くのか?が、語れています。その中で、パーキンソン病と言う病気が出て来ます。
そこで僕は、この番組でパーキンソン病をどう語ればいいのか、大変悩みました。
いつものように強がって、Live活動を楽しんで、健常者の人達に、パーキンソン病には負けない!明るく強く生きて行く!と、するのか?
僕の考えは変わりました。それではパーキンソン病の患者が誤解される。パーキンソン病自体が誤解される。と、考えました。

何故なら、僕よりもホントに大変ご苦労なさっている患者さんや、ご家族の方々に失礼じゃないかと…
パーキンソン病を軽く見られちゃいけない!!簡単にステージに立てる楽な病気だと思われちゃいけない!

ただでさえ「死ぬわけじゃないのに」です。いつものように「大丈夫、大丈夫」など、一言でも言ってみたら…

「なんだ、パーキンソン病って大した病気じゃないじゃないか?」

どうでしょう?間違ってたでしょうか?


僕は、ブラウン管の向こう側でよそ見されちゃいけない!一瞬も目を離されちゃ、いや、見られない位、見苦しいプライベートな自分をさらけ出した方がいいと考え始めたんです。

そう…


良く僕は'特別な'と言う言葉が付いてまわります。Paulさんは沢山のスタッフやファンに守られて生きている。生きて行ける。だから'特別な'が付いています。

けど覚えておいて下さい。

普段道を歩いていて、買い物をしていて、お店で食事をしていて、皆さんはジロジロと「あっ、あの人…」と見られたり、コソコソと「あっ、あの人…」「あの人知ってる…パーキンソン病生活保護の…」と、指を指される'特別な'がありますか?
Netや雑誌にアイツはパーキンソン病だ!と、書かれますか?


僕は'特別な'だから目を覆いたくなる文章で非難されます。

「アイツ死ぬの?」「薬やってんじゃない?」「アルツハイマーと何が違うの?」「けどアイツが死んでも何も変わらないけどね」

…ただパーキンソン病と言うだけで。
とても悲しい事ですが、これが日本のパーキンソン病の認知度です。


勿論、僕はヒーローにも救世主にもなる気など、これっぽっちもありません。ただ、この'特別な'が良い方向にいかされれば?と考えてはいます。


「貴方はPaulさんと同じ病気ですか?」「今、体調はどうですか?」「何か私にお手伝い出来る事はないですか?」そう言う日が来る努力はして行きたいです。僕の夢です。
そして実践してくれている仲間もいます。
自分もパーキンソン病の患者の一人です。これを読んでいる'貴方'と、変わりありません。
皆さん。最初の気持を忘れないで下さい。誰にも相談する事が出来なかった、あの頃を忘れないで…
ここには僕なんかよりも辛く長い時間苦しんだ方々が多い筈です!!
症状が一人ひとり違う事も、飲む薬も、量も、副作用も、病院も、先生も違います。


僕だって、ここに来るまで色々ありました。副作用で両足に血栓まで出来て、マッサージが出来ない日が一年続いた事もありました。
当然、ストレッチ等、色々工夫して来ての、あの薬の量です。主治医とは十分話し合って決めた事です。
あのとても信頼出来る主治医に巡り合うまで二人先生と病院がありました。
病気が分かるまで?なんか入れると…何人?いくつ病院行ったっけ?な、感じです。
僕は今の主治医とパーキンソン病と共に生きて行くつもりですよ。しかし番組内容で、誤解が色々とあるだろうと思ってました。
そこは、今後の課題として皆さんの声を真摯に受け止め、次は、もっと良い番組を作るつもりでいます!
僕も制作に関わった一人として、これからも頑張って行きます。


それから、僕がもう一つ気にしていた事があります。このところのAppleのBBSやMLの荒れようです。見ていて苦しかったです…
皆、同じ病気で当然同じ苦しみを持ち、同じ願いを持っている筈が、何故、あぁなってしまうのか?
僕には分からないのです。皆、意地になってるようにしか自分には見えなかった…
精神的に辛くなってきて、何だっていいから何かにすがり付きたい気持や、不安で荒れてしまう事も分かってる筈なのに…
ホント見ていて悲しくなりました…悲しかった…


最後になりますが、こうやって今の自分の素直な気持を書き込んでしまい、この事でAppleから弾き出されたとしても、自分の活動は続けて行きます!
それが自分に'特別な'が付いてまわる人だからです。


これを最後まで読んでくれた方々に、感謝と僕からエールを送りたいと思います。
パーキンソン病と言う病気が僕の人生を大きく変えたように、皆さんの人生も大きく変わってしまったと思います。
しかし、そう悲観的にならなくても良いと思いますよ。だって僕、前より少しだけ良い奴になったみたいです(笑)」

このメッセージを読んで、すぐさまamazonで最新アルバムの購入ボタンをクリックしました。今まず私にできるのはそのくらいだから。

私はパーキンソン病ではありません。職業病である肩こりや頭痛の類、歳相応の疲れやすさはあるけど、それなりに健康体です。

でも、このPAULのメッセージは、すごく胸を突きました。

私のマイミクの方にはお伝えしてありますが、プロフィール欄の写真にも写っている息子(もうすぐ3歳になります)は、先日、自閉症の認定を受けました。

彼は、社会的にはいわゆる”障がい者”扱いになります。小さな彼はまだ判ってはいませんが、この先社会の中で様々な試練が彼を待っています。

親として彼のためにできることは、彼を正しい方向に導き育てること、そして、自閉症の姿をもっと周りに、少なくとも彼がこれから生活をしていく圏内においては、正しく伝えていくことである、と考えています。(それはまさに、上のファンキー氏が書いていた”ファミリー”を彼の周りに増やしていくことでもあります。)

狭いジャンルではあるけれども、20年間以上ロックを聴いてきて、途中で聴かなくなった時期もあったけど、自分の人生のいろいろな箇所に繋がっていく。それが今、嬉しくもあります。

44マグナムの新譜が届くのが待ち遠しい。正直、DEAD END以上に楽しみにしています(笑)。

44MAGNUM(初回生産限定盤)(DVD付)

44MAGNUM(初回生産限定盤)(DVD付)

*1:暗黒王子の歳を取らないかのようなスマートさに充分匹敵するぞ