1st album『VIOLETTER BALL 〜紫色の舞踏会〜』(SIXTY RECORDS 1985.10.21 )

85年の10月にレコード・デビューした4人組。特にリード・ヴォーカルのISSAYがたいへんな美形。「星くず兄弟の伝説」という映画にも出演していた。彼の詩は常に同じ言葉のリフレインを用いており、幻想的である種のデカダンスを感じさせ印象に残る。
(「CDジャーナル」アルバムレビュー)

(LP曲順)
SIDE-A

  1. FATHER COMPLEX
  2. Lunatic Dancin'
  3. 雨の中のパレード
  4. 猫の目をして這いずるな
  5. Der Rhein

SIDE-B

  1. ヌビア
  2. Frozen Dynamaite
  3. キスミー プリーズ
  4. 待つ歌

(CD化時*1曲順)

  1. ヌビア
  2. 猫の目をして這いずるな
  3. 雨の中のパレード
  4. FATHER COMPLEX
  5. Lunatic Dancin'
  6. Der Rhein
  7. キスミー プリーズ
  8. Frozen Dynamaite
  9. 待つ歌

80年代の青白いニウウエイヴの薫りがぷんぷんするファーストアルバム。デビュー時のキャッチコピーは「年齢不詳、国籍不明、性別不明」。端々に挿入される独語のモノローグ*2や、『Lunatic Dancin'』のイントロの軍靴の響き、そしてデカダン*3なボーカルと歌詞により、アルバムを通じて広がるイメージは”ナチス政権下のベルリンの将校クラブで夜ごとステージに立つ男娼美青年の憂鬱”…といったところでしょうか。楽器隊の音はその後のアルバムと比較すると驚くほど細くスカスカ。もともとDer Zibet自体が"ISSAY & SUICIDES”の解散後にISSAYのライブ活動のためにオーディション(に近い形)で選ばれたバンド、ということもあってかこのアルバムはISSAYのソロアルバムとして捉えるべきかも。

*1:93年に再発されたCDの曲順は、LPの曲順を踏襲したものに(+「FLOATIN' SONG」)。1曲目が『ヌビア』なのと『FATHER COMPLEX』なのではアルバム全体の印象がかなり異ってくる。

*2:バンド名自体が”麝香の〜”を意味する独語。ネイティブ的には”デア・チベット”と発音するのだけど「デル・ジベットのほうが格好いい」という理由でそうなったそうだ。

*3:と言われているけどわしにはデカダンの何たるかは判りません…