1988/05/13 渋谷公会堂ライブ

3rdアルバム『DER☆ZIBET』発表後のライブで、デルジ初の渋公進出だった。この頃のデルジはまさに過渡期で、ISSAYの美学ばかりが先行していた「デカダン・バンド」から、各自の卓越した演奏力と優秀な洋楽体質を前面にフィーチュアした「アンサンブル・バンド」への移行が急激な音だ。随所でインプロヴィゼイションが展開されて、ある種プログレ的ですらあるその達者なテクニックに、誰もが驚かされた。アンサンブルの轟音度も一気に増しており、現在のデルジの基本形の誕生とも言えるライヴだ。なお、当時ISSAYは長くて重い欝期に突入しており、MCもHALが務めていた大変な時期でもあった。おいおい。

  • Lady Outlaw

オープニングからいきなりこの緻密なアンサンブルだ。ISSAY言うところの「楽器全盛期」を、またに象徴している。

  • 口紅蜃気楼(including スペイスグライダー)

HIKARUのジミー・ペイジ・フレーズが粋なイントロからして、このポップソングを豪快無比な「ロック」に仕上げている。途中挿入される”スペイスグライダー”の豪放磊落なMAYUMIのドラムが、もう誰にも止められまい。

  • electoric moon

「濃厚凝縮轟音アンサンブル」の真骨頂。 (市川哲史、Live album『official?』ライナーノーツ)

このライブは同年6/21に「der zibet in concert YO-YO-YO」としてビデオで発売(未見)。