独り言

S.キング原作、F.ダラボン監督の『ミスト』が局所的反響*1を呼んでいる。反響の源は広告にも謳われている「驚愕のラスト」というやつ*2。映画そのものを観に行く予定はないので”ネタバレ上等”で各所の感想を読んだ。…そして落ち込んだ。
もし数年前の自分なら映画のあとで「映画のテーマとしては”希望を捨てるな”ってことで『ショーシャンク〜』とも通じるよね」とか「原作とラストは違うって皆言うけど、そもそも原作にはラストらしいラストは無いんだよ*3。そういえば、キングが原作で曖昧にしたラストを最後まで映像で見せちゃうのもダラボン映画の共通点だよね」とかのスノッブな批評を論じていた気がする。
しかし今の自分は違う。恐らく映画の主人公と同じく絶望に打ちひしがれ、こんな映画を観たことを後悔しながら無言で映画館を後にするに違いない。子供ができるとそれくらいものの見方が全く変わってくる。『サボタージュ』でなぜヒッチコックが非難を受けたのか、あるいは、m@stervision氏が『陽だまりのグラウンド』になぜ憤慨していたのか、今の自分なら【言葉】でなく【心】で理解できる。

スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)

スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)

*1:映画秘宝関係者の評論とか、読者と思わしき方々の関連サイトとか。

*2:原作読まずに知ったかぶって”原作とは異なるラスト云々”とかメディアの受け売りをブログとかに書いてる奴は死ねばいいよ。

*3:原作読んだのは約20年前でディテールは殆ど忘れたけど、ラジオから”希望”と聞える声がするんだよね…