『この道は母へとつづく』

【解説】(allcinema ONLINEより)
孤児院で育った6歳の少年が実の母を求めて過酷なひとり旅を繰り広げる感動ドラマ。ある出来事を境に実母との再会を希求した末、独学で文字を覚え、ついには孤児院を抜け出し、追っ手を躱しながら母を探す少年の悲壮な旅路を、現代ロシアの社会情勢を背景にリアルなタッチで綴る。
 極寒のロシア。フィンランドとの国境近くの孤児院に一組のイタリア人夫婦が養子を求めてやって来る。裕福な家庭の養子となることは、孤児たちにとって唯一の希望の光だった。孤児院にとっても、斡旋業者から渡される手数料は大きな魅力だった。そして、6歳の少年ワーニャが選ばれ、正式な手続きが済み次第、イタリアへ引き取られていくことに。そんなある日、先に養子に出されたワーニャの親友ムーヒンの母親が、捨てた我が子を取り戻しに来て院長に追い返されるという騒動が起こる。ワーニャは同じことが自分の母親にも起こりはしないかと想像した途端、実の母に会いたい気持ちが抑えられなくなってしまう。そして、独学で文字を覚えると出生記録を盗み読み、わずかな手がかりを頼りに母を見つけ出すため、ついには孤児院を脱走するのだったが…。