FM512広島未公開3本+松子

黒沢清監督、宮崎あおい出演とはいえ、話題も評価も興行もパッとしなかった1本目。いわゆる”企画もの”で、上映タイミングを逸した感の大きい2本目。個人的には大嫌いなひとりよがりの”映像作家”が作った3本目。そして修道大学の自主上映に便乗したかの如く4本目。
個人的には行く気になれない、また集客が見込めるとも思えないこのラインナップが発表されたのは上映日の約1ヶ月以上前。しかしホームページにもエンドマークにもタイトル告知のみで映画館からは各作品の説明もアピールもなにもなし。どこまでやる気があるのかしらと思って掲示板に書き込んでみた。

Q:今回のフィルマラのコンセプトは、「みどころ」は何ですか?
A:このたびのフィルムマラソンは、ミニ・シアター系の広島未公開作品が3本入っているというのがセールス・ポイントであります。本来ですと、こちらの作品も「一日1回上映の1週間限り」にせめてしなくてはならない映画だと思います。結局、出来ないまま現在に至って、いっそ、まとめて見ていただけたらの想いの番組構成です。(※)配給会社さん(ファントム・フィルム)の御好意に感謝しています。普通、不可能なのです。フィルムマラソンも、月1回のペースもくずれています。「フィルム代が高過ぎる・・・」というのが、出来ていない最大の理由であります。決して、もう、しないと考えているのではありません。個人的にもやりたくてしようがないくらいですから・・・。そして、今回はその3本に上半期のピカイチの作品『嫌われ松子の一生』も入れての4本立てであります。是非、お越し下さいませ。(by 支配人 住岡正明)

フィルマラは金がかかる割にお客が入らないので不採算事業です。今回は、首都圏で不入り/不評だった作品が安く上映できるのでフィルマラを忘れてもらわないためにもとりあえずやることにしました。修大とフィルム台を出し合っている(?)『嫌われ松子』を目玉にくっつけて4本立てにしてみました…ということが住岡さんのコメントの趣旨でしょうか。いや、そんなことを聞いてるんじゃないんですよ。住岡さん自身も書いているように、フィルムマラソンが迷走しかけている今、どうやって客を集めようとしているのか、フィルマラをどうしていきたいのか、もっと前向きな本音が聞きたかった。もちろん”じゃあお前はフィルマラのために何やってるんだ”と問われても何も出てこない自分もここにいるのですが。

…しかし当日は補助席が出るほど盛況だったそうで。やはり興行の世界は判りません。(2007.01.02)