『MY SWEET JOURNEY』

My Sweet Journey(DVD付)

My Sweet Journey(DVD付)

開放的。軽やか。ポジティブ。発売前の「Doll」のインタビューで”自分たちの音楽に対するニーズがあるのかを探りながら作った”といった意味の発言をしていたけど、9年ぶりのアルバムはアメリカンロック路線の『Reptile House』('91)からウェット感を排除してスピード感を増したような快作。再びインディに戻って制約のない状態で音作りができる状態からなのか、JUNのヴォーカルもリラックスして饒舌な感じ*1
1曲目の「Fabulous 26 O'Clock」はオリジナルが2004年のシングルなので全体のカラーからは少し浮いているのだけど、その浮き具合が映画で言うところのアヴァンタイトル/プロローグ的な意味合いを兼ねていてアルバム全体が本当に一本の映画のようなバランスが保たれている。
キーチューンは「Legendary Bonnie & Clyde」と「Chase The Shooting Star」。「Legendary〜」はイントロのギターとハンドクラップ、Bメロ部分のグリグリしたリフがライブ映えしそうで気持ちいい。「Chase〜」はタイトルも凄いけど””ですよ””!

僕らは消え始めた星の光跡を頼りに アンタレスの海に踏み出したんだぜ 流星を追って
星屑の雨は痛いほど僕らに振り注ぐ 時を止めてもいいぜ 奇跡は起こるさ 流星の夜に

あと「Tiny baby Jane」の最後部ではJUNのヴォーカル史上最高音域の声が聴ける(笑)。(それまでのベストは「Waiting for my Phantom Jeremmy」の”幾千の夢をかかえてェー”の部分。)
(書いた日:2007.06.05)

以下、オリジナルエントリーへのコメント;

通りすがり 『MSJいいですよね。開き直った?ような明るい雰囲気が大好きです。』(2007/06/06 22:53)
alter-m-nn 『伊達に四半世紀やってきたわけじゃない、という貫禄もありますね。
ゴタゴタしていた東芝時代のJUNに教えてあげたいです。”大丈夫、アンタは20年後も現役で走り続けているよ!”って。』(2007/06/07 09:49)

metalmicky9 『過日は拙blogへのコメントありがとうございました。
MSJは私も大好きなアルバムですが、

>悪く言えば滑舌が悪くユルい。

ここにはまったく同感です(笑)。『TALLYHO』あたりだととても言葉の発音が綺麗で、腹から声を出してる感があるのですが。』(2007/06/28 18:54)
alter-m-nn 『ようこそいらっしゃいませ。『TALLYHO』はKYOYAのドラム以外は全てJUNが楽器も演奏して、相当JUNがコーラスアレンジにもそして自分のヴォーカルにもこだわったアルバムなんだろな、と思っています。
(あえて『PRANK STER A GO GO』を引き合いに出したのはタイトル曲が再録でさらにヴォーカルが向上していることと「c’mon wips」のセルフカバーで約15年間のヴォーカルの大変化が実感できるからなのですね。まだお聴きではないと思いますが機会と縁がありますことを祈っております←余計なお世話だ。)』(2007/06/29 07:03)

*1:悪く言えば滑舌が悪くユルい。『PRANK STER A GO GO』('98)の艶っぽくセクスィーなヴォーカルを基準にすると、今作はそのギャップが大きい。