『子猫をお願い』

【解説】(allcinema ONLINEより)
高校を卒業し別々の道を歩み出した女の子の仲良し5人組が、社会の中で不安や悩みを抱えながら懸命にそれぞれの生き方を見つけていく姿をみずみずしい感性でビターかつ爽やかに描いた青春群像。主演は「ほえる犬は噛まない」が日本でも評判を呼んだ韓国の人気アクトレスぺ・ドゥナ。監督は、これが長編デビューとなる女性監督チョン・ジェウン
ヘジュ、テヒ、ジヨンと双子のピリュ、オンジョの5人は高校時代を一緒に過ごした親友同士。高校を卒業して1年が過ぎた今でも事あるごとに集まる仲だった。しかし、次第に互いの立場や考え方にも違いが見えてきて、最近はちょっとずつ距離が開き始めていた。上昇志向のヘジュは証券会社に就職し、グループの出世頭。そんな優越感が態度にも表われてしまい、無職のジヨンの反発を買ってしまう。一方、5人の友情をなんとか守ろうとしているテヒは、家業を手伝う日々だったが、女性に理解を示さない父親への不満を日増しに募らせていた…。

■この映画については、「感動」とか「感激」とかいう言葉ももどかしくなる。胸の奥に食い込んで自分の思い出にすり変わるような感覚を受けてしまった。
■無邪気に周囲とじゃれあいながら過ごせばよかった頃も過ぎ、誰にでも訪れる「自分はこの先どこに行くのだろうか?どこかに行けるのだろうか?」という不安と正面から向かいあわざるを得ない日々。その日々は未成年から成年への通過儀礼であるとともに、夢や希望を抱くことができる者の特権。手を差し伸べてくれる相手、あるいは手を差し出す相手を見つけながら「どこか」へ向っていく。

ペ・ドゥナがよい。「握手しよう」と手をさしのべるシーンの瞳の力。
■いわゆる「韓流」がなければきっと日本公開もされず、この映画に逢えることもなかっただろう。ところで、ポスターやチラシに使われている、3人の女の子が駈けているビジュアルは、本編には無かったし、映画に出ている女優陣とも全く違う人に見えるのだけど…それ以外にも「女子にお薦め」という売り方もちょっと違う気がするのだけど…(そんなこと言い出したら大抵の映画はすべて当てはまるのだけど)

子猫をお願い [DVD]

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