『 父よ 』

【解説】(allcinema ONLINEより)
傑作「穴」(60)、「冒険者たち」(67)の原作・脚本を手掛け、自身もフィルム・ノワールの名作を数多く監督したジョゼ・ジョヴァンニの自伝的な父と息子の感動の物語。実際に暗黒街に身を投じ、22歳で死刑判決を受け、11年間の服役経験を持つジョヴァンニが、血の滲む努力の末に自分を救い出してくれた父への深く熱い思いを込めた作品。
 刑務所の正面に建つ一軒のビストロ。賭博師のジョーはそこに3年間毎日通い続けた。向かいの刑務所の中には死刑を宣告された息子マニュが拘留されている。長男は同じ事件で撃たれて死に、捕まったマニュは犯罪の増加に業を煮やした政府による見せしめのため死刑を宣告された。ジョーは、店に集まる出所直後の客や刑務所の看守たちから、獄中での息子の様子を聞いて回る。賭博師の父を嫌うマニュとの面会はいつもぎこちないものになってしまう。それでもジョーは、息子の恩赦を得るために必死になって奔走するのだった……。