『HANA-BI』

【解説】(allcinema ONLINEより)
ベネチア国際映画祭でグランプリに輝いた北野武監督第7作。追われる身の刑事とその妻の逃亡劇を、これまでの乾いた視点から一転、叙情的な描写で挑む。バイオレンス・シーンの後の静寂など、“静と動”の見事な対比を通し、監督の死生観を浮き彫りにした手腕はさすが。また月夜に照らされた雪の青白さや、駅構内の緑がかった色彩など、凝った映像美も見どころ。ビートたけし、岸本加世子、大杉漣寺島進共演。人生を走り続けてきた刑事・大西。彼が不治の病の妻を見舞う中、同僚の友人が犯人逮捕の際に大西の身代わりとなって撃たれてしまう。妻や子に逃げられ、半身不随で仕事も解雇された友人に言葉もない大西。さまざまな人への“想い”に駆られた彼は、銀行強盗を決意するが・・・。

■開始寸前、「寝ないでねー!」と兄さんが入り口から客席に声をかけてくれる。(でも最初は少し寝てた。ごめんよ兄さん。) 封切初日に見てから、今回が二回目となる。ときおり挿入されるビートたけし岸本加代子の他愛のないやりとりがいとおしくて切ない。ラストシーンの岸本加代子のたった2つの台詞、愛する人への気持ちを最後に伝えるための言葉としては「あれ」しかないよね。
■…いっちゃ悪いが、寺島兄さん、他の映画に比べて存在感薄いよー。「傍観者」って感じ。しょうがないか、そういう設定なんだから。

■ロビーに出ると、「いや〜、眠いね、久石さんの音楽。♪チャ〜ラ〜ラ〜って」とロビーで兄さんがお出迎え。すでに朝の6時半。あと一本、あと一時間。