兵士たちは戦場での幻影の中で海賊の夢を見た

THE WILLARDの83年から85年までのバイオグラフをしたためてみた。関心のある方はこちらからどうぞ。




彼らが東芝からのデビューまで(≠インディーズ時代*1)に残したナンバーからマイベストを作るとすれば以下の通り。

  1. STINKY VICE
  2. URBAN"BAT"SURVIVIOR
  3. GOOD EVENING WONDERFUL FIEND
  4. NIGHTMARE
  5. VANGUARD
  6. THE END
  7. VAIN FOR YOU(Congratulation)
  8. SOLDIER SONG
  9. COS I LIVE
  10. WINTER SONG
  11. OUTLAW
  12. 3 YEARS
  13. JOLLY ROGERS
  14. PUNX SING A GLORIA


1は『THE PUNX』収録バージョンより、こっちのほうの”腰の座り具合”が好き。4〜5の流れはアルバム通りにSEで繋ぐ流れが好きだけど5はアルバムバージョンで追加された間奏部での"担え銃”のSEは蛇足だと思う。6はJUNの歌声の若さと間奏部の弦楽器の響きでシングルバージョンをチョイス。10から11はライブの流れを意識しつつ。12はオリジナルではなく再録版をチョイス。

「ギグに来てくれるファンにしてもそうだけど、ごく普通の人たちが増えてる。普通の人を巻き込んでいかないとパンクは生き残れないでしょうね。それも、バンドが客にウケようとしてポピュラリティーを持とうとしているんじゃなくて、”音がカッコよけりゃ、何を歌ってようが、面白いものは面白い”とお客の側がわかってきたんじゃないかな。」「僕らの場合、デビュー以来、パンクシーンの中でも、ちょっとはずれた位置にいたから、そのことは他のバンド以上に感じていますね。異端パンクって言われてたし。自分たちのやってきた音づくり、スタイルが理解されてきたんですよ。」「やりたいことは一杯あります。音的には出尽くしていないんだけど、ある意味では、ほんとにいい位置にきてると思いますよ。」(『宝島』1985年6月号 JUNインタビュー)

とかく”インディーズで初の万単位売り上げ””アルタ前で8000人を動員”といった話題が今では”伝説”化しているが、それらは彼らの実力もさることながら、JICC出版局がメディアミックスにより仕組んだ”インディーズブーム”の功罪の象徴だったのだ…と、この歳になると冷静に感じてしまう。世代的にタッチの差で当時のブームをリアルタイムで感じることはできなかったので*2彼ら(JUN)の心境は過去のインタビューのコメント等から推察するしかないけど、異常な盛り上がりの中でも彼らは音楽に対してストイックであり、浮かれた空気の中で冷静を保っていたのだと感じる*3。(以下、東芝EMI時代に続く)

*1:キャプテンレコードを”インディーズ”と呼ぶのはもう止めにしよう。言うなれば、”メジャー(一軍)”に対しての”マイナー(二軍)”という相互依存関係が相応しい。

*2:たとえ世代がかぶっていたとしても、地方在住の哀しさでブームの只中にいることは無かったと思うが。

*3:メジャーデビュ当時の数々の発言がそれを裏付けているのだけどそれはまた後に記述しよう。