『RENDEZVOUS~ランデヴー~』

RENDEZVOUS~ランデヴー~

RENDEZVOUS~ランデヴー~


通産28枚目(!)のシングル、そして20周年記念音源第1弾。
ワタクシは『HURRY UP MODE』が太陽レコードからCDで発売された頃からちゃんと聴いているのですよフフフとちょっと威張ってみても、リアルタイムで聴いていたのは『darker than darkness』までで、それ以降は数おきに発売されるベストアルバムでしかちゃんと音源を聴いていないので決してファンではない…付かず離れずを保ってきたこの20年。
metalmicky9さんがブログで書かれていた

途切れることなくずっと好きなアーティストなのですが、いわゆる『本命』バンドではなくって、常に2番手3番手。
でも、だからこそ細く長く、ずっと好きでい続けられてるのかもしれない。

という言葉が、あぁそうだなーとしっくりくる。一目ぼれで熱狂的に惚れ込んだものに対しての想いなんてのは得てして冷めやすいものだ。
私の場合の彼らに対しての”離れず”の要素は、
・ジャンルではなくバンドで音を出すことにこだわり続けてきていること
だろう。87年デビューの彼らの同期はレピッシュ、アンジー筋肉少女帯ZIGGYジュンスカ、といったところ。しかしそれらの多くは既に解散(そして最近復活)、でなければ活動休止やメンバーチェンジを行っており、彼らが本格活動当初からのオリジナルメンバーのままメジャーの一線でコンスタントに活動継続しているのは立派なことだ。そうやって活動が継続できた背景にはフロントマンのルックスの良さが固定ファンを産んでライブ/CDとも安定した収入構造を作っていること、そして”ルックスだけのアイドルバンド”として扱われることに反発した本人達がヒネクレてバンド内で音楽性を追求していったことが大きい。そして89年の今井事件で、バンドがマスコミに発表した「BUCK-TICKはこの5人でこそBUCK-TICKであり、メンバーチェンジや解散等はありえない」というコメントが、バンドの結束がさらに強くなったことを語っている。その後の度々のレコード会社の移籍は傍から見て”レコード会社としては扱いにくいバンドなんだろな”ということが感じられるけれども、不動のメンバーがバンドを転がしていく様、ひとつの”物語”が続いていく様を見ていきたいと思うわけです。
かたや、彼らに対しての”付かず”の要素は、
・”歌もの”へのこだわりがあまり感じられない
というところ。それはこちらの主観/好みでしかないのだけど、歌メロが中途半端にメロディアスなことによる収まりの悪さと言うか、起→承→転→結で歌メロが着地せずに放り出したまま、と言うか。例えば『JUST ONE MORE KISS(88年。ってもう20年前かよ!)』のサビが「叫びつづけ〜/もがき続け〜」のリフレインでその次の歌メロ展開がなくそのままフェイドアウトしてしまうバツの悪さとか『GLAMOROUS(00年)』の「…夢の中〜」と唄ったところでジャーン、と唐突に終わる広げた風呂敷を畳まずに去っていく感に、もっと曲を練ってくれよ!と言いたくなってしまう。歌謡曲的メロディラインを維持していた『SEVENTH HEAVEN』の頃までが今振り帰っても個人的には好きだったりする。

そして今回のシングル、前評判の良さに少し期待しつつ、珍しく発売からは間を空けずに聴いてみました。曲展開(歌メロ)はやはり今ひとつ収まりが悪いのだけれど、シンプルなアレンジと冒頭からの全員総出のコーラス、そして幼児でも理解できるような素の感情を表した歌詞。愚地独歩が菩薩の拳をあみ出したようなような心境とも申しましょうか、20年目の彼らが届けた歌は、恋人、親子、仲間、あらゆるすべてのいとしきものへの想いを伝える贈り物のようなうた。
わが家でもみぃ君をひざの上に乗せて裏打ちのリズムで揺らしながら唄いかけてみると微笑んでくれました。でも先週はWillardの『Soldier song』でもニコニコしていたからなぁ。6ヶ月児なんてそんなもんだ。

[bi;maibeibi bi;bapabeibi ∫i:zmaibeibilλv]  
わたしの となりで ほほえむ てんしよ
とびたつ ふたりは ほしくず [ra:ndevu:]
たったひとこと きいてくれるかい そう あなたにあえたよろこびに
こころから ありがとう
わたしの このむね まどろむ てんしよ
とびかう せいれい ゆめみる [ra:ndevu:]
たったひとこと いってみるのさ そう あなたにあえてよかったって
こころから ありがとう
もいちど ありがとう あなたを あいしている
あなたに ありがとう もいちど さいごに
たったひとこと きいてくれるかい
そう さよならがくる そのひまで こころから
たったひとこと いあってみるのさ そう あなたにあえて よかったって
こころから ありがとう
もいちど ありがとう あなたを あいしている
あなたに あなたに もいちど さいごに さいごに