Sunday Morning

日曜の朝六時でも小さなサイレンは年中無休
ママにはもう少し休んでいてもらおう 
これから二人だけでしばらく過ごそう
左手で君を抱き右手で二人の居場所をセッティング
"手"じゃなくて"腕"で持たないとすぐ手首を傷めるぜ
そんな薀蓄を自分に語る薄青の時間
バウンサーが君の空腹をごまかす間にミルク160ccのできあがり
床の上に組んだ胡坐の隙間に君を据え付ける
瞳の朝露をたっぷり含んだ長い睫毛が
僕の小指を強く握る5本の小さな指が
"いっしょにいるよね?"と無言の同意を求める
もちろんそうさ! そのために僕は君より先に生まれた
君の瞳にうつる総てがキラキラ輝くものであるために
君が手につかむ総てが暖かく柔らかなものであるために
そんなことを無言で語らう日曜の朝が過ぎていく