第11話「白いリボンのような道」 THE OTHER SIDE OF THE MOUNTAIN

エスト・バージニアの酒場でけんかに巻き込まれてしまい、鉱山に逃げ込んだキンブル。山で出会った娘キャシーは、キンブルを暗い坑道の中へと案内する……。(NHKホームページ放送案内より)

■全編を通じ、緩やかなさわやかさを感じる好エピソード。今回はキンブルの逃亡劇よりもヒロイン・キャシー(サンディ・デニス)が自立していく姿がメイン。将来の見えない鉱山地帯で、白馬の王子様/あしながおじさんの到来を望む少女。そこに表れたの男性は、いままで彼女が触れたことのない現実社会の厳しさと、厳しい状況の中でも前に踏み出す勇気を教えてくれた…キンブルとのやりとりの中で彼女の純朴なキャラクターと精神的な成長が細かく描写される。
■悪人、または憎まれ役が登場しないこともこのエピソードの爽やかさの要因か。例によって飛行機で遠路はるばるやって来て、汗まみれ埃まみれになり野山を突き進むジェラードには銭形のとっつあんのような愛嬌と敬意を感じる。また、冒頭でキンブルが保安官に追われる原因を作る地元の若者ジャクソンも、キャシーとの絡みの中で決して悪い人間ではない、単純な青年であることを脚本がフォローしている。