第10話「真犯人はオレだよ」 FATSO

キンブルが知り合ったデーヴィという男。気が弱い彼は、周りから火災の犯人だときめつけられていた。傷ついたデーヴィの心を救おうとするキンブルは……。(NHKホームページ放送案内より)

■「真犯人はオレだよ」という邦題は、果たして何を意味するのか?事件の真相が明らかになるのか?じらしておいてクライマックスでうまく期待を裏切る。原題直訳の「デブ」ではしょうがないもんね。
■「逃亡者」というドラマの魅力を語るにおいて、”ヒューマン”とか”感動”といったキーワードが使われる傾向にあると思うのだが、アメリカ本国では純粋に”エンターテイメント”なドラマとして捉えられていたのではないか。というのも、ドラマ冒頭では「決して油断してはいけない。どんな言動も命とりになる」とナレーションに語らせておきながら、だまって出て行けばいいのに「実はね、僕は…」と正体をデーヴィに語りだすキンブルには”おいおい”とツッコミを入れたくなる(その説明がないと次の見せ場に繋がらないとは言え)。そして、ジェラードに対して「実は…」とデーヴィが語るシーンは、高校生のときにはいたく感動したのだけど、今観るとあまりの唐突さに笑ってしまったもの。そんなツッコミが楽しいし、またツッコミつつも目が離せないテンポを持つドラマでもある、ということ。