好きだ、

【解説】(allcinema ONLINEより)
宮崎あおい西島秀俊永作博美瑛太の4人を主演に迎え、ひと組の男女の17年にわたる愛の軌跡を詩情豊かに描いたセンチメンタル・ストーリー。監督は、CFディレクターとして活躍し、これが「tokyo.sora」に続いて映画監督第2作目となる石川寛
 17歳のユウは、いつも川辺でギターを弾いている同級生のヨースケに秘かな想いを寄せいていた。ヨースケが同じところばかり弾いていたため、いつのまにかユウもそのフレーズを覚えてしまった。しかし素直に想いを伝えられないユウ。一方ヨースケは、事故で大切な人を亡くしたユウの姉のことが気になっていた。やがてある哀しい出来事がそんなユウとヨースケを引き離す。それから17年、34歳のヨースケとユウは、東京で偶然再会するのだが…。

■(観てないけど)昨年の『NANA』を皮切りに、今年は”宮崎あおい”イヤーである。我が家でも録画して毎日観ている『純情きらり*1』、モノクロの正面アップの広告デザインが彼女に対する映画会社の惚れ込み度を示す『初恋』も間もなく全国公開、そして『好きだ、』である。
■この作品については、彼女が出ているということもあったけど、横川シネマ!!での封切り当夜の西島秀俊ナイトに参加できなくなった*2ため、せめて舞台挨拶のある初日夕方の回に行ってみようか…と出かける。用心して上映の30分くらい前に到着するとすでに婦女子の行列ができている大盛況ぶり*3。入れ替え入場し、普段であれば(ガラガラの)座席の前側に座るのだけど今回は遠慮して後側へ。この婦女子の何割が横シネ初体験なのかしら、さぞかし女子トイレは大変そうだ…と思ったりしているうちに映画が始まった。

これほどまでの映画を観るのは久しぶりです。もっと事前にレビュー情報を確認しておけばよかったよ。高校生パートの終盤、”事故”についてわざわざナレーションで解説が入ったころから空気がウザくなって野波麻帆*4の台詞に失笑し、”引越し前で何もないマンションの部屋”に別の意味の寒さを感じ、ラストの”入院”の展開と永作博美の「好きだ」の唐突さに落胆のため息宮崎あおいが出てるから、なんて軽い気持ちで観にいったのが悪かった。…いや、これは映画のせいではなく、自分の選球眼が甘かったのだ、と反省することしきり。
■”脚本なしで俳優にまかせて撮影を進めていった”と聞いたが、その手法は俳優の力量があって成立するものであるし、空とかワンパターンの遠景ばっかり撮ってドラマ/人物にハナから興味がない監督はそんなことをしてはいけないと思う。別に4人の俳優が大根だというわけではないよ。でも瑛太にそこまでのレベルを求めるのは彼のキャリアには早いと思うし、宮崎あおい永作博美も、監督/脚本による確実な演技プランを土台にして華を見せる女優だと思う。西島秀俊については初めて観るので判断できませんが、少なくともこの作品においては魅力は感じられなかった。でもそれは本人ではなくて演出のせいであることを望む。
■”観ていて切なくなった”という感想の方がいらっしゃるのは個人の感情や経験に基づくもので別にかまわないのだけど、色恋については多少不器用であっても直球勝負(そして自滅or道連れ)型の立場としては煮え切らない男女のやりとりにイライラするばかり。たとえ自分が高校生だったとしても、この映画の2人には共感できなかったと思う。

好きだ、 [DVD]

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*1:今思えば『ちょっと待って、神様』のBS再放送はこのドラマのためのNHKによる宮崎アピールだったのかも。

*2:行くかどうか迷っているうちに「席売り切れ」の知らせが横シネの掲示版にあった。ちなみに当日は全国及び国外(韓国)からの参加もあり、大盛況であったとのこと。

*3:ちなみに私は最近の若手俳優に疎いので、西島氏のこともなんとなく名前しか知らないのであった。

*4:エンドロールで名前を見るまで判らなかったよ、東宝シンデレラガール。