第1話「愛と憎しみの果て」FEAR IN A DESERT CITY

無実の死刑囚キンブルが逃亡して6ヶ月後。バーテンダーの仕事に就いた彼は、暴力をふるう夫に苦しむピアノ弾きの女性を助けるが、彼女の夫の恨みを買って危機にさらされる。(NHKホームページ放送案内より)

■記念すべき第1話のゲストはヴェラ・マイルズ。(1960年の『サイコ』への出演が有名なのだが、フィルモグラフを見るとテレビムービーへの出演が多い。)
■彼女が演じるモニカとキンブルの関係の描き方は、エピローグ部分で「彼の無実を信じます」とモニカに言わせるには少々弱い気 がする。キンブルはモニカの悩みを聞いてあげて息子を遊園地へ連れていっただけじゃないの?実は逃亡者であるというキンブルの身の上が、現実から逃げ出したいと願っていたモニカの心情にマッチした、ということ?だとすればなおさら、モニカは短絡的なキャラとしか描かれていないことになる。
■面白かったのはモニカの亭主・エドの差し金でキンブルを街から追い出しにかかる刑事の、真綿で首を絞めるようなねちっこさ、そしてそれに対して卑屈な笑いを浮かべながら対応するキンブルの立場の弱さ。ここでキンブルが逆上しても怪しまれるだけだから、キンブルがそれまで培ってきた逃亡生活のノウハウが表れているわけで。さらにその直後、その刑事もエドに対しては快い思いを持っていないことが描かれており、それが最後のエドへの発砲への複線になるという段取。