『皇帝ペンギン』

【解説】(allcinema ONLINE より)
極寒の南極に生きる皇帝ペンギンの生態をドラマチックに捉えたドキュメンタリー。父親、母親、そして生まれてきた子供たちそれぞれの心の声をナレーションで挿入するなど、動物ドキュメンタリーとしては踏み込んだ演出を織り交ぜつつ、過酷な大自然の中で生存していくための驚くべき行動の数々、そしてふと見せるユーモラスな仕草やヒナたちの愛らしい姿などが感動的に綴られていく。
冬が訪れようとしている南極大陸。海で平穏に暮らしていた皇帝ペンギンたちは、彼らの生誕の地で営巣地でもあるオアモック(氷丘のオアシス)へ向け、100キロもの距離を行進のごとく歩み始めた。そしてカメラは、目的地に辿り着き無事産卵したペンギンの夫婦たちそれぞれのやりとりを、つぶさに映し出していく。やがて、産卵を終えた母ペンギンは卵を父ペンギンに託し、エサを求めて再び海へと旅立つ。一方、父ペンギンは仲間同士で寄り添って温め合い、マイナス40度の寒さと激しいブリザードに晒されながら120日間も絶食状態で卵を守り、エサを待ち続ける…。

■『ディープ・ブルー』は確かに凄かった。野生動物の最も美しい姿=食うか食われるかの鬩ぎ合いの中で自らの身体能力を最大限に発揮する姿が圧巻だった。その余韻も引きずりつつ見に行ったのだが・・・。

■スクリーン一杯に広がる白銀の世界。しかし画面の解像度があまり美しくない。日本経済新聞での監督インタビューを事前に読んでいたのだが、映画のための撮影期間/使用フィルムフィート/そして撮影のための根気と苦労は相当のものであったとのことだが、劇伴の今風のフレンチポップスがぶち壊し。そして何より、1時間30分の間”ペンギンだけ”では飽きてしまう。追い討ちをかけてシネツイン2の冷房は南極並みだった。…以上をもって、私の中では”なかったこと”に。