『白くまになりたかった子ども』

【解説】(allcinema ONLINEより)
デンマークを代表するアニメーション作家ヤニック・ハストラップ監督が、極北に暮らすイヌイットに伝わる神話を基に、素朴ながらも力強いタッチで描いた美しいファンタジー。シロクマに育てられたイヌイットの子どもの姿を通して、厳しい自然の中に生きるシロクマと人間の崇高とも言える関係を優しい眼差しで見つめる。日本語の字幕監修を文筆家の内田也哉子が担当。
 広い氷原の中をオオカミの群れに追われたシロクマの夫婦が必死で逃げていた。二匹はようやく危機を脱するが、これが原因で母クマのお腹の中にいた赤ちゃんクマは死んでしまう。その頃、イヌイットの夫婦には男の赤ちゃんが生まれる。幸せいっぱいの夫婦は、遠くで鳴くクマの声にちなんでその子を“チビクマ”と名付けるのだった。ところが、悲しみから立ち直れない母クマを案じた父クマによってチビクマはさらわれてしまう。最初は人間の赤ちゃんに興味を示そうとしなかった母クマだが、いつしかチビクマをやさしく抱き寄せるのだった…。