『ばかのハコ船』

【解説】(allcinema ONLINEより)
バンクーバー国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭で好評を博した脱力感漂うコメディ・ドラマ。東京での事業に失敗した冴えないカップルが、再起を期して帰った地元でも思うように行かず空回りばかりしている姿を、アンニュイかつ悲哀を込めたタッチで描く。監督・脚本は「どんてん生活」の山下敦弘
東京に住む酒井大輔とその恋人・島田久子は、自分たちで開発した健康飲料“あかじる”の自主販売を始める。だが商品はさっぱり売れず、2人はついに500万の借金を作ってしまった。それでもこの事業をあきらめきれない彼らは、心機一転、大輔の故郷での再起を図る。さっそく大輔の実家に帰ってきた2人は、地元のコネを頼りに起死回生を狙うが、両親や親類、同級生たちからことごとく反対され、逆に行き場を失ってしまった。2人は途方に暮れ、いつしか無為に日々をやり過ごすだけの生活が続くようになり…。

■バカに笑いつつも、なんとなくいたたまれない気持ちになるのは、彼らが自分によく似ているからなのか…。
■クライマックスからラストの展開があまりに唐突だが、同じ登場人物によるパラレルワールドの出来事で「バカはどの世界でもやっぱりバカ」というメッセージなのか…?
■田園を縦断する無人の道路を疾走するヒロインのロングショットや、港のライトバンをカメラが引きながら捉えるショット等、印象に残るシーンが一杯。でも、意味があるようで多分意味はないのだろう。それもまた、よし。(←感想さえも脱力系)