『モンスターズ・インク』

【解説】(allcinema ONLINEより)
トイ・ストーリー」「バグズ・ライフ」を生み出したディズニー&ピクサーが再び組み、全米で記録的な大ヒットとなったファンタジー・アニメ。夜な夜な子どもたちを脅かすくせに実は子どもが大のニガ手のモンスターたちの世界に小さな女の子が紛れ込んだことから巻き起こる騒動を友情と愛情を織り交ぜコミカルに描く。
 子ども部屋のクローゼットの向こう側に広がるモンスターたちの世界。彼らは夜な夜なドアを開いては子どもたちを怖がらせているのだが、実は彼らは“モンスターズ株式会社”のれっきとした社員なのだ。この会社は、モンスターシティの貴重なエネルギー源である子どもたちの悲鳴を集めるのがその仕事。しかし、最近の子どもは簡単には怖がってくれない。モンスターズ社の経営も苦しくなってきている。そんなある日、大事件が発生した。モンスターたちが実はもっとも怖れる人間の女の子がモンスターシティに紛れ込んでしまったのだ!

■先日”OTIS”でご飯を食べて出ようとしたら、入り口脇の壁にジョン・ラセターのサインがあることに気付いた。しかも彼の初期作品”Tin Toy”の主人公のチンドンおもちゃの大きななカラーイラスト付き。サインの日付(91年)から判断するに、国際アニメーションフェスで来広したときのものと思われたけど、結構感激。
■さてそのラセターが指揮するピクサー社の最新作『モンスターズ・インク』、同社の前作『トイ・ストーリー2』に大感動した者としてワクワクしながら封切り初日に劇場へ。ただし時間ギリギリで大劇場の最前列の端という最悪のコンディションだったけど。
■60〜70年代のコメディ映画を連想させるようなクレパスタッチのタイトルデザインや、劇中に登場する”人気ナイトスポット”の名前の付け方に、この映画のスタッフから先人達への敬意を感じた。各メディアの前評判どおりに各キャラクターは表情豊かで皆愛らしい。主役のサリーの一喜一憂ぶりにすっかり感情移入していっしょに泣き笑い…。
■観客も皆いっしょに泣き笑いしていたし、個人的にも満足度は高いのだけど、展開のつなぎ方やストーリーが思ったよりあっさりしていて「マイクはいつの間にヒマラヤから会社に戻ったのか?」とか「タコ社長とランドールはどんな関係なの?」とか、説明不足の食い足りなさを感じるところも数点。事前に期待しすぎていたのかもしれないが、「監督がラセターだったら、もっと楽しませてくれたのかなぁ…」とつい思ってしまう。(ラセターが監督した『TS2』と『M.Ⅰ.』は製作時期が重なってしまい、ラセターは『M.I』は総指揮役に回ったそうだ)
■…といろいろ言っては見たものの”信頼のブランド”として親元のディズニー以上にピクサーの市場イメージは国内でも既に固まっている。数年後(と思われる)次回作をまた楽しみにして待とう。