『スタン・ザ・フラッシャー』

【解説】(allcinema ONLINEより)
近親相姦や同性愛など常にショッキングなテーマを扱ってきたS・ゲンズブールが、手術後一週間で書き上げたという脚本を自ら映画化した遺作。売れないシナリオを書きながら生活のために英語の家庭教師をしている、うだつのあがらない中年男スタン。見た目にもサエない彼の唯一の楽しみは、教え子の女学生ナスターシャたちに裸体を見せつける妄想(露出狂=フラッシャー)にふける事だけ。しかしある日、彼はとうとうナスターシャに直接触れてしまい、それを知った父親に殴られたあげく刑務所へ入れられてしまうが……。“ロリータ・コンプレックス”を題材に、露出狂のサエない中年男の偏執的な愛の物語を、そこはかとない滑稽さと奇妙なエロティシズム、そして男の悲哀を織りまぜて描いてゆく。