『VANGUARD』

alter-m-nn1985-06-21

01.VANGUARD
02.THE END

あらゆる面で波にのり、これでもかというくらい安定した実力をみせつけてくれるピクチャーディスクである。これはYOUにかわってJUNがギターを弾いている。(石川由美、『DOLL』1989年6月号)




「ピクチャーにしようと思ったのはインディーズでは他でやっていないから。バンド・プロモーションを今回は意識しているんですよ。」
「キーボードやシンセはあまり信頼していないんです。結局機械でしょ。それで何かベーシックな楽器を使おうと思って、ギターソロの代わりにチェロを試験的に使ったんですけどウィラードの音にマッチした仕上がりになって面白いですよ。」
「(レコードの綿密さに対してのライブでのワイルドさのギャップについて)ウィラードって、しょせんパンクバンドだから(笑)。ライブってことを考えるとパンクっていうもの(衝撃的なもの、理屈ぬきに「カッコイイ」と思えるもの)にこだわりたいですね。」(『宝島』1985年6月号 JUNインタビュー)

『VANGUARD』のAメロ直後のテンポダウンによるBメロの疾走感や、『THE END』間奏部分でのチェロ/バイオリンの導入*1等の小技が曲のドラマチックさをひき立てる。そしてJUNのボーカルの少年ぽさ*2が独特の世界を作り出している。ピクチャージャケットの3人三様のファッションも、バンドの音の幅広さを表しているようで面白い。ブートコンピ盤『INDIES』にて初聴。(2007.08.19)

*1:本バージョンは『THE PUNX』に収録されたバージョンのボーカルを再録し、間奏部分やエンディングに加工を加えたもの…だと思う。

*2:詩には使われていないけど「僕」という一人称がマッチするような初々しさがある。