ワンマン・ライブ@新宿ロフト

'82年の暮れからスタートした中期AUTO-MODは、それ以前から決まっていたツアー・スケジュールを消化した後、'83年初頭から熱心にリハーサルを重ね、サウンドを固めていった。そして、新しいAUTO-MODは、'83年3月の新宿ロフトで正式なデビューを飾った。多くの新曲を引っ提げて登場したAUTO-MODは、以前の混沌とした状態の中から抜け出して、シンプルなロック・バンドと化していた。ジュネ自身も、それまで強く意識していたある種の共同幻想体としてのロック・バンドを迫い求めるのをやめ、ヴォーカリスト及びフロント・パフォーマーというボジションに徹することを意識し始めているようであった。一種の束縛から解放されたジュネが、それまで以上に観客を魅了したことは言うまでもないことだろう。
(宮部知彦、'91年再発CDブックレットより転載)