『LAZZARO』

LAZZARO

LAZZARO

■最近のちょっとしたバンド再結成ブームの中でも大穴的復活(自分的には)。単なるイベント的な再結成ではなくてニューアルバムの発売+記念すべき日比谷野音でのライブ、とかなりの本気モード。
■その17年ぶり!の3rdアルバムの音はメンバーそれぞれのその間のキャリアを反映してKYOの声は段違いに太くなって、CIPHERのギターはワイルドなリフが主体となっていて、TETSUのドラムはオカズもパワーも数倍増で*1、それでもやはり”あぁD'ERLANGERのニューアルバムだぁ”とすぐ判る。それは随所に2nd『BASILISK』を意識させる仕掛けがあるからといえましょう。1曲目がインストなのはお約束で2曲目の『dummy blue』の前半のリズムの刻み方は『INCARNATION OF EROTICISM』と同じだし、メイン曲の『XXX for YOU』の歌詞「Darlin' 血まみれのナイフその手で握りしめ」なんてまんま『DARLIN'』のパロディじゃないですか。歌詞といえば「キミの▼(聖杯)」とか「狂った果実」とか「アダムとイブのように」とか、今の”ビジュアル系バンド”とはちょっと違う”ホスト系バンド”の美学溢れまくり。KYOちゃんも歌詞を考えながら”俺今年でいくつだっけ?”とか笑いながら楽しんで書いて/唄ってたに違いない。そんな曲の中で「僕」という一人称を使った『ALONE』の愁いを帯びたシャウトがgood。(2007.4.21)

*1:SEELAのベースは…よくわからんかった。ベースの音が全体的に聴こえないのだ。