『インファナル・アフェアII 無間序曲』

【解説】(allcinema ONLINEより)
警察とマフィア双方から送り込まれた潜入者2人が熾烈なかけひきと激闘を繰り広げたサスペンス・ドラマの続編。本作では過去にさかのぼり、1991年から1997年の中国返還に揺れる香港を舞台に、2人の若者がそれぞれスパイに至る過程が描かれる。監督は前作に引き続きアンドリュー・ラウアラン・マック
 1991年、香港マフィアの大ボス、クワンが暗殺された。だが配下のボスのひとり、サムだけは造反を目論む4人のボスたちをよそに唯一静観を続ける。実はこの暗殺は、サムの出世を願う妻マリーが夫も知らぬ間に手下のラウへ命じたものだった。そんな彼女に叶わぬ恋心を抱くラウはやがて、サムによって警察学校へ送り込まれる。一方、組織犯罪課のウォン警部は、クワンの私生児であることが発覚して警察学校を退学処分になったヤンを組織へ潜入させることに。こうしてラウとヤンの2人は、92年、気づかぬうちに互いの人生を交差させていくのだった…。

『I』とは同じことはやらない―というか出来ない、とスタッフ側も覚悟したのか、ラウとヤンではなく中年キャラ2人を中心に据えた虚虚実実の人間ドラマ。「柔」のエリック・ツァンと「剛」のアンソニー・ウォンの眼差しは「伊達に映画で飯を食ってきたわけじゃねェ!」という香港映画人の風格でもある。