『ベルヴィル・ランデブー』    

【解説】(allcinema ONLINEより)
イギリスでアニメのキャリアをスタートさせたフランス人アニメーター、シルヴァン・ショメの長編デビュー作。誘拐された孫の救出に奔走する祖母の大冒険を、セリフを極力排し、露悪的にデフォルメされたキャラクターと毒気の利いたストーリーで描いたナンセンス・アニメ。アカデミー賞長編アニメ部門にノミネートされたほか、NYやLAの批評家協会賞を受賞するなど2003年の映画賞レースを席巻した。また、劇中で三姉妹が歌う主題歌をはじめジャジーな音楽も評判に。
戦後間もないフランス。内気で孤独な孫のシャンピオンを元気づけようとおばあちゃんはいろいろな物を買い与えたが、シャンピオンはどれにも興味を示そうとしなかった。そんなある日、おばあちゃんはシャンピオンが自転車に強い興味を抱いていることを知る。やがて、シャンピオンは一流の自転車選手になるため、おばあちゃんと二人三脚で厳しいトレーニングに励むようになる。そしてついにシャンピオンは自転車レースの頂点“ツール・ド・フランス”に出場するまでに成長した。ところがレースの途中、シャンピオンは何者かによって誘拐されてしまう…。孫の行方を追うおばあちゃんは、愛犬のブルーノを連れ、海を越えてはるばる摩天楼そびえる大都会“ベルヴィル”までやって来る。

■レトロモダン、セピア色の色彩、小粋なリズムを奏でる小道具たち、個性的な登場人物たち、緩やかな悪夢・・・ジャン・ピエール=ジュネの『デリカテッセン』(91)で受けた鮮やかな映像ショック再び!という感じ。

■孫を喜ばせたいとあれこれ画策する無口なおばあちゃん。孫を追いかけて足漕ぎボートで大海原を横断するおばあちゃん。ギャングの巣窟で変装して孫に対面するシーンには思わずうるっ、と来た。そしてクライマックスの”対決”・・・。ああ、おばあちゃん。あの表情と動きを思い出すだけで幸せになれる。

■たまたまなのか、私の観た回が明らかに画面の上下が切れていて(なんとか我慢できる範囲だったけど・・・)残念。普通ならばスタッフに伝るところだが、その時間すら惜しかった!画面で動きまわるすべてのものを隅々まで見ていたかった。そんな映画。

ベルヴィル・ランデブー / エディシオン・コレクトール (初回限定生産) [DVD]

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