『サッカー小僧』

【解説】(allcinema ONLINEより)ほのぼのとして、でも、ピリリと辛口の、やはりリンドグレーンの国の児童映画(でもないのだが)は見応えがある。6歳の天才サッカー少年が現れ、プロのチームに招かれて大人顔負けの大活躍をするが、勉強する時間は当然なくなり、学校でもみんなに置いてきぼり。最近のアメリカ製野球少年映画にも似たようなのがあったが、そうした(言わばディズニー的な)トリックなしに、少年がいかにもサッカーが上手いように見せる見せ方を心得ているのが心憎い。自分自身で考え行動する西欧的美徳を、“普通の子”にあえて戻ろうと自らする少年の姿に体現させる。その辺、アメリカ映画だと友達づきあいの大切さも強調するけれど、こちらはあくまでシビアに勉強の必要を訴える(なんせ6歳ですからね、サインをせがまれても自分の名前一つ満足に書けなきゃ坊やも焦ります)。監督は秀作サスペンス「刑事マルティン・ベック」のウィデルベルイ。

■ドキュメンタリータッチの作風が大ボラ話の可笑しさを引き立てていて笑えた。
■前半だけ出ていたぬいぐるみ好き?の監督は『キングダム』の名物院長、故・エルンスト・フーゴ・イエアゴーではないか?