藤田和日郎サンデー復活

コンビニ売りの廉価リサイクル版『うしおととら』を立ち読み返している今日このごろ。まだしばらく先になると思いますが「ブランコをこいだ日」のラストカットにはまた泣くことだろう。それにしても白面の者との最終決戦のストーリー展開において、”獣の槍が粉々に破壊される”という絶望的な展開を、全ての登場人物/妖怪たちの”結束”のための伏線として回収する上手さと、それらのキャラクター殆ど全てに見せ場を与える愛情の深さには、今でも「はぁ」と感嘆してしまう。

からくりサーカス』は連載開始から最終回までリアルタイムで読んでいたけど、”プロローグ編”での勝の修羅場での成長、そして最終話の「鳴海にいちゃん」のモノローグには胸が熱くなる。…けどそこまでなんだよなぁ。あとの展開はちょっとグダグダ観が拭えなかったのと登場人物の台詞の芝居くささが気恥ずかしくてあまり楽しめんかった*1

その後の短期連載『邪眼は月輪に飛ぶ』『黒博物館〜スプリンガルド』は掲載誌の他の連載作品とのカラーの違い≒”青年誌”というフィールドでの違和感 がやはり気になってうーむ。で最近ではコンビニ売りの廉価リサイクル版『うしおととら』を立ち読み返している今日このごろ…の最新号のサンデー表紙に藤田復活の報が。
月光条例』とはまたジュブナイルでファンタジックな響き。あまり期待はせずに読んで…鳥肌が立った。凄い、凄い!先の読めない展開とスピード感!上に書いた”台詞の芝居くささ”も、語り部役のヒロイン(かわいい)をその名も”演劇部”として違和感なくキャラの特徴としているのが憎い。物語のキーとなる”月打”の"moonstruck"という言葉の響きもPINK好きとしては無視できない。主人公の設定が、恋愛関係よりも相棒(BUDDY)関係が似合いそうなアクティブな少年と少女のコンビというのは今週からジャンプで始まった『ダブルアーツ』by古味直志とダブっているけど…『ダブル〜』の読後の感想もそう悪くなかったので、水曜と月曜の楽しみが増えた、ということで。

*1:単行本で一気読みすれば違うかもしれん。